代替肉はモラルの問題か? 英語と日本語におけるツイートの比較

Are meat alternatives a moral concern? A comparison of English and Japanese tweets

Moena Hashimoto, Yotaro Takazawa & Kazutoshi Sasahara

2024/09/27

https://doi.org/10.1057/s41599-024-03766-z

論文概要

 

食肉消費の増加は人類の健康や環境、アニマルウェルフェアに悪影響を及ぼしており、大豆ミートをはじめとする代替肉はこれらの問題に対処するための選択肢として注目されつつある。本研究では、こうした代替肉に対する社会的関心がモラルの問題へと発展しつつあり、社会レベルでのシフトやマーケティング・アプローチの双方に影響を与えていることを明らかにする。

Twitter(現在はXに改称)から得られた縦断的データを用いて、代替肉に関して英語と日本語で交わされた自発的な会話の内容を分析した。食品を選択する動機を表すキーワードを特定し、それらがツイートの中で使用された頻度を検証した。道徳基盤理論 Moral Foundations Theory に基づく分析から、代替肉をめぐる会話において、道徳に関する言葉が変化していることがわかった。

英語と日本語のツイートからは、代替肉に対する消費者の関心が大きく変化しており、これには環境と動物に対する道徳的関心が動機となっていることが明らかになった。このように道徳的観点から捉える態度は、英語のツイートにおいてより顕著であった。

代替肉を選ぶ動機として、先行研究では味覚などの感覚的な魅力が重要な要素とされてきた。本研究の結果は、こうした側面に対する関心が減少しつつあり、道徳的配慮がより重要になっていることが実証するものである。消費者の共感を得るためには、今後のマーケティング・キャンペーンでは味や健康上の利点だけでなく、倫理的な側面も強調することが有益と考えられる。

 

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