培養肉が不自然ってどういうこと?

What does it mean to say that cultured meat is unnatural?

Matti Wilks , Matthew Hornsey, Paul Bloom

2020/09/11

https://doi.org/10.1016/j.appet.2020.104960

論文概要

 

培養肉は、工場畜産とそれに付随する問題を代替できる可能性がある。しかし、培養肉に対する世論は賛否両論である。潜在的に消費者となり得る人々の多くが懸念しているのは、培養肉は「不自然」であるということである。このような見方には大きな関心が寄せられているものの、これを動機づける心理学的な要因を探った研究はほとんどない。

本研究(サンプル数= 904人)では、培養肉は不自然であるという結論に関わる信念や世界観、態度について検証した。その結果、自然であるという認識が分析的推論のプロセスから生まれるという根拠はほとんどないこと、不自然であるという評価はむしろ、嫌悪感や恐怖感といった感情的なメカニズムに根ざしていることが明らかになった。このことは、例えば(客観的な)情報を提供することなど、分析的な思考処理をターゲットとした受容戦略による効果は限定的であることを示唆している。これらの結果は、今後の研究プログラムや培養肉のマーケティング戦略にとって有益な知見となる。

 

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