幸福の概念化と菜食主義: スペインの大学生における実証

Conceptualizations of happiness and vegetarianism: Empirical evidence from University students in Spain.

Jana Krizanova, Jorge Guardiola

2023/04/03

https://doi.org/10.1007/s10902-023-00650-6

論文概要

 

菜食主義(ベジタリアニズム)は、アニマルウェルフェアに加えて人間と地球の健康を向上させる。肉食を減らす動機には、健康に関連した理由と倫理的な理由があるが、肉を避ける主な原動力となっているのは後者である。しかし、ベジタリアンの幸福についてのこれまでの知見は決定的なものではなく、報告されている調査結果は一貫していない。このことは、プラントベースの食事への移行を促す政策にとってひとつの課題となっている。

本研究の目的は、この問題に関して何らかの証拠を提供することである―幸福についての道徳的規範と菜食主義の間にはどの程度関係があるのだろうか? そのため、概念参照理論において幸福感を構成する8つの概念的要素を用いて、ベジタリアンのアイデンティティ(フレキシタリアン・ペスカタリアン・ラクトオボベジタリアン・ヴィーガン)と食行動(ベジタリアン自己評価尺度)の心理的側面から菜食主義を検証した。

スペインの大学生から得られたデータを分析した結果、幸福を構成するいくつかの要素(平穏・充実感・美徳)は菜食主義との相関が強く、他の構成要素(楽しみ・ストイシズム)では菜食主義との相関は弱くなっていることがわかった。政策的な意味合いとしては、菜食主義に関連して人々が抱く幸福感の倫理的要素によって、プラントベースの食生活を促進または阻害する可能性がある。

 

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