持続可能な食生活をめぐる人々の意識を10年後に再検証する質的調査

Still eating like there's no tomorrow? A qualitative study to revisit attitudes and awareness around sustainable diets after 10 years

Emily Cleland, David McBey, Vitri Darlene, Benjamin J.J. McCormick, Jennie I. Macdiarmid

2024/12/04

https://doi.org/10.1016/j.appet.2024.107799

論文概要

 

今後の気候変動における最悪のシナリオを回避するためには、食料システムの変革が必要であるとの認識が高まりつつある。持続可能な食生活を採り入れることはこのような変化のひとつであり、健康的であるとともに、環境に過度の負担をかけず、文化的・社会的に受容可能で、経済的にも達成可能なものである。肉が大量に消費されている国々では、人々が肉の摂取量を減らす必要があるとされており、これはそうした食生活に向けた変化の一つである。

2013年から2014年に行った調査では、食生活と気候変動に関連があることや、環境上の理由から食生活を変える必要があることが認識されておらず、人々は肉を減らすことに消極的であることが示唆されていた。本研究では、このテーマに対する人々の見解がその後変化したかどうかを調べるため、60人の参加者によるフォーカス・グループを再び実施した。前回と同じ地域で調査を行い、農村部と都市部の違いや、貧困のレベルが変わっていないことを確認し、持続可能な食生活について人々がどのように理解しているか、またこうした食生活を取り入れる意欲があるかどうかを調べた。

その結果、社会経済的なグループの間で違いはあるものの、人々の意識は高まっていることがわかった。前回の調査の以降、メディアの報道では環境と食の関連が取り上げられることが増えた。肉の消費量を減らそうという意欲は高まっているものの、人々が感じている障壁や、実際に経験したことのある障壁の多くは依然として残っていた。そして人々は、こうした障壁があるために肉の消費量を減らすことができないと主張していた。

社会経済的なグループによって経験は異なり、阻害要因や促進要因に関する認識も異なっているため、具体的な障害に対処するための介入手段を策定するうえでは、こうした違いを理解することが求められる。これによって持続可能な食生活が人々にとって採り入れやすいものとなれば、長期的には環境と公衆衛生における目標の達成に寄与することになる。

 

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