未来のフランスの肉は培養された筋肉細胞になるのか? 異なる消費者層からの回答

Does the future of meat in France depend on cultured muscle cells? Answers from different consumer segments

Élise Hocquette, Jingjing Liu, Marie-Pierre Ellies-Oury, Sghaier Chriki, Jean-François Hocquette

2022/02/21

https://doi.org/10.1016/j.meatsci.2022.108776

論文概要

 

  • フランス人回答者、特に食肉産業に関わる人々は「培養肉」を受け入れていない
  • 受け入れの主な要因は倫理的・環境的な懸念であり、感情的な抵抗は重大な障壁である
  • 若い女性は食肉生産への懸念が高く、高齢者とは異なり、培養肉を拒否する可能性は低い

この調査の目的は、「培養肉」に対するフランスの消費者の認識を調査することである。調査に回答した5418人には、一般的なフランスの人口構成に比べて、若者・食肉業関係者・科学者がより多く含まれていた。回答者の約40~50%は、畜産業は倫理的および環境的な問題に直面していると考えていた。培養肉がこれらの問題を解決できると考えているのは18~26%にすぎなかった。大多数の回答者は、培養肉は健康に良くはなく味も良くないと考えており、「ばかばかしい・気持ちが悪い」と考えていた。一方で、23.9%は「楽しい・面白い」、16.9%は「有望・実現可能」なアイデアだと考えていた。91.7%は培養肉を肉より高い値段で買うつもりはないと回答した。培養肉についてあまり知らない回答者、若者や女性では、畜産システムに関する問題により敏感であるため、培養肉を支持する傾向が強かった。年配の男性や食肉業界の関係者は最も消極的であった。以上から、現状では培養肉の市場は特殊なニッチ市場に相当する程度の規模と考えられる。

 

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