気候変動と生物多様性の目標を、プラントベース代替食品で達成する

Feeding climate and biodiversity goals with novel plant-based meat and milk alternatives

Marta Kozicka, Petr Havlík, Hugo Valin, Eva Wollenberg, Andre Deppermann, David Leclère, Pekka Lauri, Rebekah Moses, Esther Boere, Stefan Frank, Chris Davis, Esther Park, Noel Gurwick

2023/09/12

https://doi.org/10.1038/s41467-023-40899-2

論文概要

 

より持続可能な食生活を実現するために、動物性食品を代替するプラントベース食の推進が進められている。ここでは、世界経済における土地利用モデルを用いて、こうした代替食品への世界的なシフトが食料システム全体に及ぼす影響を評価する。

世界全体で主要な動物性製品(豚肉・鶏肉・牛肉・牛乳)の50%を代替した場合、2050年までに地球環境への影響が大幅に削減されることがわかった。森林や自然の土地の減少はほぼ完全に阻止され、農業と土地利用による温室効果ガス排出量は、2020年と比較して2050年には31%減少する。

森林生態系の中にある農地を森林として再生すれば、気候変動に対する便益を2倍に増え、土地部門において推定されている緩和ポテンシャルの92%に達する可能性がある。こうして回復された面積はさらに、昆明モントリオール生物多様性枠組のターゲット2で推定された世界の土地回復のニーズに対して、その13~25%を2030年までに供給することが可能であり、2050年までに生態系の健全性に起こる低下の規模は半分以下になるであろう。

こうした影響の分布は地域によって異なり、農業資材(種子・肥料・農薬など)の使用に対する主な影響は中国で見られ、環境上のアウトカムに対する影響はサハラ以南のアフリカと南米で見られる。牛肉の代替は最も大きな効果をもたらすが、多数の食品を代替することによってさらに相乗効果が得られる。

 

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