環境政策の対象としての食行動 どのような政策がプラントベース食を奨励するのに適切か?

Dietary Behavior as a Target of Environmental Policy: Which Policy Instruments Are Adequate to Incentivize Plant-Based Diets?

Katharina Schleicher, Annette Elisabeth Töller

2024/03/14

https://doi.org/10.3390/su16062415

論文概要

 

食肉の消費は、大気・水・土壌の汚染などによって環境に大きなダメージを与え、生物多様性の損失や気候変動に大きく関わっている。環境と気候に関する目標を達成するためには、農業生産の方法についての政治的な取り組みが必要であるが、同時に食生活を変える必要もある。これが特に重要となるのは、ドイツをはじめ、持続不可能なほど肉の消費量が多い欧米諸国である。

本稿では、さまざまな研究領域の文献を体系的に分析し、食行動に影響を与える要因、行動変容のために有効な政策手段、政策としての実現可能性についての潜在的問題の3点について検討する。ドイツを例にとって分析すると、食肉消費の削減を達成するうえで有望といえるのは、有効性の観点から、また政治的な実現可能性から見ても、いくつかの手段を組み合わせることしかないことがわかる。

政策手段によって(食品の価格や入手可能性、外食や宅配など)食に関わる社会的な条件を変えることで、持続可能な栄養源を選択しやすくする必要がある。長期的には、教育プログラムやキャンペーンは、社会の規範や価値観といった、食行動に影響する基本的要因を変えるうえで有効である。また短期的には、意思決定の場面でこれらの要因を利用することが可能であり、行動選択において重要となる。

 

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