種差別と汎化する偏見、偏見を抱く人々に対する認識

Speciesism, generalized prejudice, and perceptions of prejudiced others

Jim A C Everett, Lucius Caviola, Julian Savulescu, Nadira S Faber

2019/09/04

https://doi.org/10.1177/1368430218816962

論文概要

 

哲学者らの議論によれば、我々の動物に対する態度(「種差別」)は規範的な価値観によって他の様々な偏見と繋がっているとされる。心理学研究ではまた、種差別の基底には他の偏見におけるのと同様の心理過程や動機が働いていることが示唆されている。しかし、一般の人々はこのような関係を認識しているのだろうか? 

本研究では、種差別の傾向が強い人や弱い人が一般の人々にどう認識されるかについて、人種差別(研究1・2)、性差別(研究2)、同性愛嫌悪(研究3)と比較して検証した。結果では、人種差別・性差別・同性愛嫌悪の強い人と同様に、種差別主義者もまた人々からネガティブに評価されており、より広い意味で偏見に基づく態度やイデオロギーを持っていると予想されていた(例えば、社会的支配志向性*が高く、他の点でも偏見が強いと見られていた)。

以上の結果から、一般の人々は、種差別と他のよく知られた偏見の結び付きを直観的に認識しており、種差別主義者に関しても、人種差別・性差別・同性愛嫌悪の人におけるのと同様に、類似した性格的特徴や、概して偏見の強い傾向を推測していると考えられる。

*集団間の格差や序列を好む程度を表す概念

 

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