肉と比べたプラントベース代替肉の機械的・感覚的特徴

The mechanical and sensory signature of plant-based and animal meat

Skyler R. St. Pierre, Ethan C. Darwin, Divya Adil, Magaly C. Aviles, Archer Date, Reese A. Dunne, Yanav Lall, María Parra Vallecillo, Valerie A. Perez Medina, Kevin Linka, Marc E. Levenston & Ellen Kuhl

2024/11/15

https://www.nature.com/articles/s41538-024-00330-6

論文概要

 

肉食を減らすことは、身体の健康と地球の健康につながっているが、私たちはプラントベース食への切り替えに消極的である。その大きな原因は、プラントベース代替肉の食感にある。食品科学者たちは食肉の特性を調べるために二重圧縮試験を用いているが、この方法では製品について一次元的な特性しか調べることができない。ここでは、ニューラルネットワーク*1 による構成モデルと引張試験・圧縮試験・せん断試験を組み合わせることで、プラントベース代替肉と動物性食肉を含む8種類の製品に関して、その3次元全域にわたる特性を自動的に特定する。

その結果、プラントベースのソーセージとホットドッグの硬さは95.9±14.1kPaと38.7±3.0kPaであり、動物性食肉を用いた同種の製品の硬さ(63.5±45.7kPa、44.3±13.2kPa)を再現することができた。トファーキー*2 はその2倍硬く、豆腐はその2倍柔らかかった。驚くべきことに、補完的に実施した試食調査においても、8つの製品すべてについて、その硬さの順位はほぼ一致していた(p = 0.833、p = 0.015)。肉の3次元的な特徴を完全に調べることは、味覚につながる食感の微妙な違いを理解する上で非常にきわめて重要である。研究に用いたデータとコードは無料で提供されている(https://github.com/LivingMatterLab/CANN)。

*1 生物の学習メカニズムを模倣した機械学習の手法  *2 豆腐 (Tofu) と七面鳥(Turkey )の合成語。七面鳥の丸焼きに見た目と味を似せて加工した豆腐で、ベジタリアン向けの代替肉として知られる(Wikipedia より抜粋)

 

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