肉のジェンダーギャップ:赤身肉の消費を減らす意思の男女差を理解する

The meaty gender gap: Understanding gender-based differences in intention to reduce red meat consumption

Tommaso Fantechi, Caterina Contini, Leonardo Casini

2023/12/20

https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2023.105078

論文概要

 

  • 赤身肉の消費を削減する意思を推進する要因は男女で異なる
  • 調理スキルの高い男性では、赤身肉の消費を削減する意思は弱い
  • 男性における推進要因は、時間的な制約および環境・健康への影響に関する知識である
  • 購買力の高い女性では、赤身肉の消費を削減する意思は弱い
  • 女性における推進要因は、代替肉のタンパク質食品が市場で入手できることである

これまでの研究によれば、食肉消費の削減を目的とした政策では、特定の人口集団を標的とする方法が有効である。性別は食事パターンを予測するための強い要因と思われるが、食肉消費を減らす意図を支えている先行要因について、その男女差を詳しく検証した研究は不足している。本研究の目的はこのギャップを満たすことにある。計画的行動理論(Theory of Planned Behaviour)を拡張し、食の文脈において新たに実装することで、意図の先行要因を複数の構成要素へと分割した。イタリアの消費者400人をサンプルとし、構造方程式モデルを用いてデータ分析を行った。その結果、複数の構成要素において男女間に大きな相違があることが浮き彫りになり、なかでも「知覚された行動コントロール」の領域において顕著であった。これらの結果は、食肉消費を減らすためにジェンダーに特化した介入策の設計に向けて、新たな視座を提供するものである。

 

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