肉を食べることは、新たな喫煙行為なのか? スイスにおける肉の消費と教育の相互関係を探る

Is eating meat the new smoking? Exploring the dynamics between meat consumption and education in Switzerland

Daria Loginova, Stefan Mann

2024/06/17

https://doi.org/10.1108/IJSE-05-2023-0335

論文概要

 

目的: 「肉食は今後20年間で喫煙と同じように非難されるかも知れない」というピーター・シンガーの提議について、食肉消費・教育・喫煙に関する最近の文献、および1990年から2017年にスイスの消費者から得られたデータを用いて検証した。

研究デザイン・方法: 肉の消費は、これまでの研究で喫煙に関して見られたのと同じく、先進国では教育水準の低い層に次第にシフトしているという仮説を立てた。回帰分析を用いたトレンド分析では、スイスにおける9種類の肉に関する消費動向を記述し、大学教育を受けた層と受けていない層における肉の消費傾向を推定した。

結果: 我々の分析結果は、上記の仮説を部分的に確証するものであった。教育水準の低い世帯では、少なくとも1人が大学教育を受けているか修了した世帯に比べて、魚介類を除く肉の1人当たり消費量が多かった。大学教育を受けた人が少なくとも1人いる世帯では、ほとんどの種類で肉の消費量は減少しており、その相対的な減少率はそれ以外の世帯に比べて有意に高かった。

独創性・価値: 本研究の結果は、肉食に関する社会学研究に寄与するものであり、肉の消費に関連するリスクや、こうしたリスクに対する社会の認識についてさらに検討する必要があることを示唆している。 

 

別のFACTを探す