菜食を支持する社会的アイデンティティの形成:ヴィーガン料理ワークショップが子供に与える影響

Cooking a pro-veg*n social identity: the influence of vegan cooking workshops on children’s pro-veg*n social identities, attitudes, and dietary intentions

Lise Jans, Namkje Koudenburg, Lea Grosse

2023/02/24

https://doi.org/10.1080/13504622.2023.2182750

論文概要

 

プラントベースの食生活を選択することは、気候変動を緩和するうえで有益であるが、ほとんどの人は肉を食べ続けている。社会的アイデンティティは食事の選択に影響を与える。この研究では、子ども向けのヴィーガン料理ワークショップを通じて、調理グループにおける社会的アイデンティティ、菜食を支持し規範とする意識や態度、肉食を減らす意思が強化されるかどうかを検証した。

実験では、小中学校の生徒115人(10~17歳)が、3~6人からなる少人数のグループに分かれて調理に取り組んだ。事前の測定と比較して、ヴィーガン料理ワークショップの後では、グループにおけるアイデンティティ、菜食を支持し規範とする態度、肉食を減らす意思、ヴィーガン食に対する評価は、いずれも促進されていた。(ワークショップの前後での)学校における規範に対する認識の変化は、菜食を支持する態度の変化に関連し、肉食を減らす意思の変化は、一緒に調理したメンバーならどう振舞うかを推測した場合の内容の変化に関連していた。

ヴィーガン料理を共同で調理することは、効果的な介入方法であり、グループへの帰属意識と菜食を規範として前向きに捉える意識を形成し、このような菜食を支持する意識に沿った態度や肉食を減らす意思を育むことができる。したがって、料理ワークショップによって社会的な変化を呼び起こせる可能性がある。

 

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