菜食主義がもたらす利点と菜食主義の実践への障壁、肉食が環境に与える影響をどう考えるか

論文概要

 

本研究では、事前に登録されたオーストラリアのソーシャルメディアのユーザー740名を対象として、気候変動に関する信念、食肉消費が環境に与える影響、食肉摂取を減らす意欲について調査した。また、菜食主義の利点と障壁についてのオーストラリア人の認識を扱ったLea and Worsley(2003)による研究を概念的に再検証した。

ほとんどの参加者が気候変動を信じていると答えたが、農業と畜産業が気候変動の主要な原因であることに同意したのは半数だけであった。参加者は、食肉の摂取を減らしたりなくしたりすることは、気候変動に対してほとんど効果のない行動だと考えており、このことが食肉の摂取を変えようという意欲の低さにつながっていた。菜食主義の利点と障壁についての調査項目の大半について、Lea and Worsley による研究と比べて、より多くの参加者が同意していた(利点では15項目のうち11、障壁では14項目のうち12)。

菜食主義の利点と障壁、そのどちらについての認識からも、参加者の食肉消費量(赤身肉・鶏肉・魚介類)を有意に予測することができた。全体として、肉食が環境に影響を与えていることを認識している人の数は増加しているものの、環境保護のための他の行動(公共交通機関の利用・リサイクルの促進・再生可能エネルギー源の利用など)に比べてその影響は小さいと考えられていた。

 

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