食料品にガス排出量価格を設定した場合の気候変動緩和とグローバルヘルスへの影響

Mitigation potential and global health impacts from emissions pricing of food commodities

Marco Springmann, Daniel Mason-D’Croz, Sherman Robinson, Keith Wiebe, H. Charles J. Godfray, Mike Rayner, Peter Scarborough

2016/11/07

https://www.nature.com/articles/nclimate3155

論文概要

 

食品に関連した温室効果ガス排出について予想される増加量は、地球温暖化を許容できるレベルに抑えるうえで大きな障害となる可能性がある。しかし、潜在的な食料安全保障への影響についての懸念もあり、食料生産と消費は長く気候変動に関する政策の対象とされてこなかった。

農業と健康を連結したモデリングによれば、食料品に対して排出量価格を設定することで地球規模の気候変動を大きく緩和できる可能性があり、また、食料品に対する温室効果ガス税を徴収する仕組みを適切に設計すれば、高所得国だけでなく、ほとんどの低・中所得国においても、健康を促進する気候政策となり得る。

健康に良いことがわかっている食品群を課税対象から除外すること、課税による価格上昇に伴う所得損失を選択的に補填すること、税収の一部を健康増進に充てることなどは、有効な政策オプションとして、社会的弱者における健康への悪影響のほとんどを防ぐとともに、環境的に持続可能な食生活への転換を促進できる可能性がある。

 

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