「真の価格ラベル」 利害関係者の見方と現実的なアプローチ

論文概要

 

世界の食料システムから発生する外部費用*は、温室効果ガス排出、土壌劣化、生物多様性の喪失、労働格差など、広汎に負の影響を及ぼしている。研究者らが提唱する「真のコスト会計(TCA)」は、こうした隠れたコストを内部化し、外部費用を「真の価格(トゥルー・プライス)」として反映させるものである。

真の価格を消費者に情報提供するため「真の価格ラベル」を用いることが提案されている。真のコスト会計を方法論的に改良する上では、こうした表示を利害関係者がどのように見ているかを理解する必要があるが、従来の研究では検証されていない。

本研究では EU 全域の9つのバリューチェーンの利害関係者を対象として、各自の組織において「真の価格」を表示することを支援・採用する、(場合によっては)推進する意思があるかどうかを調査した。真の価格を算出する方法や価格への影響について、利害関係者がどの程度に懐疑的な見方をしているか、また外部費用を軽減するためどのような実効性のある対策を取っているか、テーマ分析を用いて検証した。

その結果、政策手段としての「真の価格」は利害関係者から概ね支持されていることがわかった。しかし方法論としての「真のコスト会計」、および「真の価格ラベル」を改良するうえでは、研究者と利害関係者はさらに連携する必要がある。

* 生産者または消費者の活動によって発生する費用で、市場取引の場では価格に反映されず、社会全体で負担するものを指す 

 

原文タイトル:Stakeholder skepticism and pragmatic approaches for True Price Labeling

論文著者:Sebastian Malte Carlsson, Erik Hunter, Edona Arnesen, Anne Odile, Peschel, Lennart Stein, Benjamin Oebel, Tobias Gaugler, Mark de Jong, John Thøgersen

公開日: 2025/05/30 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fsufs.2025.1599970

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