「肉を減らす1か月チャレンジ」 フランスの大学生を対象とした無作為化比較試験

論文概要

 

背景: プラントベース食への転換を若年層に促すことは人類と地球の健康を維持するうえで重要な課題の一つである。個人が自ら肉を食べるのを減らすと決めることは行動変容の動機となる可能性があるが、その効果を科学的に検証した研究は限られている。本研究では、大学生を対象に「肉を減らす1ヶ月チャレンジ」が食肉の消費に及ぼす影響について、介入の直後および長期的な効果を検証した。

方法: 2023年1月、「肉を減らす1ヶ月チャレンジ」への参加について366名の大学生が同意した(平均年齢21±3.2歳)。参加者は、介入群(187名、2023年2月にチャレンジを実施)および対照群(待機リストの179名、2023年6月にチャレンジを実施)に無作為に割り当てられた。参加者および研究者に対しては、グループへの割り当て関する盲検化を行わなかった。肉類を摂取する頻度は週に0回・3回・6回の3段階とし、参加者はそのいずれかを目標として選択した。参加者は肉類を使わないレシピブックが提供され、「肉を減らす1か月チャレンジ」のInstagramのアカウントを1カ月間フォローした。このアカウントではモチベーションを維持するための情報が毎日投稿されるようにした。全ての参加者は、2023年1月(T0:介入前)、2月(T1:介入期間中)、5月(T2:介入から3ヶ月後)の時点で食物摂取頻度調査票に回答した。肉類の摂取量に関するデータの分析には線形混合モデルを用いた。

結果: 1か月チャレンジへの参加者では、介入期間における肉類の消費量は1日当たり67g減少し(95%信頼区間 [-82; -53])、3か月後には50g減少した(95%信頼区間 [-68; -31])。介入期間におけるこの減少幅は、対照群を1日あたり34g上回っていた(95% CI [-55; -14])。しかし、3か月後の追跡調査では介入群と対照群の間に有意差は認められなかった。

結論: 「肉を減らす1ヶ月チャレンジ」は、肉類の消費を短期的に削減するうえで有望な戦略となり得る。長期的な効果を向上のためのさらなる研究が求められる。

 

原文タイトル:The "Eat Less Meat" one-month challenge: a randomized controlled trial of a meat reduction pledge intervention among French university students

論文著者:Lucile Marty, Manon Biehlmann, Anne Louveau, Delphine Poquet, Eric Robinson

公開日: 2025/10/27 

論文URL:https://doi.org/10.1186/s12966-025-01831-7

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