さまざまな動物の心に関する認識、動物への道徳的関心は、食習慣から予測できる

Diet Predicts Mind and Moral Concern Towards a Broad Range of Animal Categories

Elise Hankins, Rob Jenkins, Ellen Bousfield, Matti Wilks

2024/12/17

https://doi.org/10.5964/phair.14597

論文概要

 

多くの研究から、菜食主義をはじめとする人々の食生活のスタイルは、動物に向ける道徳的関心に大きく影響することが明確に実証されている。しかし、こうした研究のほとんどは「食用」の動物に焦点を当てているため、どのような範疇の動物に対してこのような効果が見られるのかはよくわかっていない。本研究では、菜食主義者 veg*ns と雑食主義者 omnivores を対象として、さまざまな種類の動物に対して参加者がどのように心(研究1)と道徳的地位(研究2)を帰属させるかを調査した。

研究1では、菜食主義者は、ほとんどの種類の動物について(雑食主義者に比べて)より大きな知的能力があると認識していた。菜食主義者と雑食主義者はともに、ある種の動物は他の動物よりも知的能力が低いと考えており(進化論的に見て人間から遠い動物と近い動物の違いなど)、このことは動物の心を認識する際のパターンが菜食主義者と雑食主義者で類似していることを示唆している。

しかし、研究2では、菜食主義者は概して動物の道徳的地位をより高いものと認識し、さまざまな動物種(ウサギのように「好きな」動物とネズミのように「嫌いな」動物など)を同じように評価していたのに対し、雑食主義者は動物種によって鋭く区別していた。これらの結果は、食肉忌避による影響は食用動物だけでなく他の動物に対する認識にも及んでいることを示している。

 

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