アカマダラハタ由来の自然不死化筋幹細胞株を用いた培養魚肉生産

論文概要

 

魚類の筋幹細胞には培養に適した細胞株がなく、細胞培養による魚肉の製造は極めて困難であった。本研究では、海水魚であるアカマダラハタ Epinephelus fuscoguttatus 由来の自然不死化筋幹細胞株(EfMS)を作成し、その特性を検証した。

この細胞株は良好な遺伝的安定性を示し、50回以上の継代でも幹細胞が持つ筋形成能を維持して活発に増殖した。魚筋から抽出された物質に代わって幹細胞の維持に作用していたのはタウリンであった。EfMS細胞は2次元・3次元の培養システムにおいて効率的に誘導可能であり、筋分化、脂肪分化を実現できた。

食用可能な3次元マイクロキャリアを用いると、8日間の細胞培養で生産された魚肉は無脂肪であれば 0.65 g、脂肪を含む場合は 1.47 g であった。細胞培養によるこの魚肉はスキャフォールド(足場材料)を必要としないが、風味を与えるアミノ酸の含有量では天然魚を大きく上回っていた。

全体として、EfMS 細胞株は細胞培養で魚肉を生産するうえで最も適したシード細胞株となり得る。

 

原文タイトル:A spontaneously immortalized muscle stem cell line (EfMS) from brown-marbled grouper for cell-cultured fish meat production

論文著者:Ting Xue, Hongwei Zheng, Yaqi Zhao, Zhenxin Zhao, Jinwu Wang, Yue Zhang, Yaru Li, Song Wang, Yongliang Liu, Changhu Xue & Huarong Guo

公開日: 2024/12/24 

論文URL:https://doi.org/10.1038/s42003-024-07400-1

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