アルゼンチン市民はプラントベース代替肉を受け入れられるか? 認知度と消費意欲に関する事例研究

論文概要

 

  • 参加者の約80%がプラントベース代替肉に関心を示している
  • プラントベース代替肉のターゲットとなるのはフレキシタリアンと雑食の人々である
  • 知識不足と入手の難しさがプラントベース代替肉の普及を妨げている
  • 代替肉への関心は、高所得者ほど低い傾向にある

代替肉の普及は世界的に進みつつあるが、消費を支えている人々の態度や動機は変化しており、地域によって異なる可能性がある。アルゼンチンでは肉類の一人当たり消費量が世界で最も高い水準にあり、プラントベース代替肉の市場はようやく発展し始めたという状況にある。こうした新しい食品に対するアルゼンチン市民の認識を調べた研究は極めて乏しい。

本研究では全国規模のオンライン調査(2339人)を実施し、代替肉およびハイブリッド肉製品に関する知識・態度・認識を検証した。さらに、こうした製品を採り入れることに関して、その阻害要因と促進要因、ターゲットとなっている市民層を特定した。

参加者の内訳は、雑食73.8%、フレキシタリアン19.5%、ベジタリアン6%、ヴィーガン0.7%に分類された。認知度が著しく低いにもかかわらず、プラントベース代替肉を採り入れたいという意欲は強く、女性や若年層、低所得層ほどこうした選択肢に前向きであった。

これらの製品を求める主な動機は、健康への懸念と動物福祉、環境意識であった。製品に馴染みがあるかどうかはプラントベース代替肉の消費に大きく影響しており、これは雑食の人でも十分に知識がある場合は受容する姿勢があるという結果からも明らかである。主な制約要因となっているのは入手可能な選択肢が不足していることであり、受容されない主な理由は原産地への不信感や(味や食感など)感覚的な魅力に欠けることであった。

本研究の結果はアルゼンチンにおけるプラントベース代替肉の潜在市場を明らかにし、栄養や感覚の面で品質を確立することが重要であることを示唆している。広く受容されるためには、消費者に対する情報提供も不可欠である。

 

原文タイトル:18 December 2024

論文著者:Trinidad Soteras, Natalia Szerman, Manuela Merayo, Sergio Ramón Vaudagna, Gabriela Inés Denoya, Luis Guerrero f, Mara Virginia Galmarini

公開日: 2024/12/18 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.appet.2024.107817

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