オーストラリアのスーパーマーケットで販売される豆類食品ラインナップの変化

論文概要

 

豆類を食生活に採り入れることが人類の健康と地球環境に望ましいことは科学的に裏付けられている。オーストラリアにおける豆類の摂取量は十分ではないが、消費者データによれば、日常の食事パターンに取り込まれていないことが障壁とされている。これに対応できるのは食品産業のみであり、使いやすく新しい製品がさらに販売されれば食生活への豆類の取り込みが進むことになる。

本研究では、豆類を使った食品カテゴリーを調査し、2019年から2021年の製品ごとの栄養データと栄養・健康に関する表示内容を比較した。シドニーの主要スーパーマーケット4社(Aldi・Coles・IGA・Woolworths)が取り扱う豆類製品について、その成分表、栄養情報および包装表示を調査した。対象とした製品はベイクドビーンズ・豆ディップ・豆粉・豆スナック(豆チップスと全粒豆スナックを含む)・缶詰豆類・乾燥豆類・冷凍豆類・豆パスタである。

市販されている豆類製品は、総数で2019年の312点から2021年には610点となり、ほぼ2倍に増加していた。これは従来の缶詰や乾燥豆類に加え、利便性の高い新しい選択肢が増えたことによるもので、このうち最も増加していたのはスナック製品(豆チップス)であった。豆類を使った全製品610件のうち、82%はオーストラリア・ニュージーランドの栄養プロファイリング評価基準を満たし、86.8%はなんらかの食物繊維を含み、55.9%はタンパク質を含んでいた。

食物繊維、グルテンフリー、タンパク質に関する栄養表示は2019年から2倍以上に増加し、2021年に市販されている製品ではいずれも3分の1以上で表示されていた。ヴィーガン・ベジタリアンに関する表示は2019年比で2倍以上に増加し、2021年には植物性タンパク質と持続可能性に関する表示が新たに登場した。

豆類の消費に関しては調理時間の不足や調理方法に関する知識不足といった障壁があるものの、こうした問題を解決できれば、豆類を使った革新的な製品が将来の消費パターンを変える可能性がある。

 

原文タイトル:The Changing Landscape of Legume Products Available in Australian Supermarkets

論文著者:Dale Bielefeld, Jaimee Hughes, Sara Grafenauer

公開日: 2021/09/16 

論文URL:https://doi.org/10.3390/nu13093226

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