カーボンプライシング制度の有効性 事後評価のメタ分析

論文概要

 

現在、世界の国や地域では70種類を超えるカーボンプライシング制度が導入されているが、これらが温室効果ガスの排出削減にどの程度寄与しているかについては、科学研究や政策上の観点から論争が続いている。本研究では機械学習を用いた厳密なシステマティックレビューとメタアナリシスによって排出削減におけるカーボンプライシング制度の有効性を検証する。

21種類のカーボンプライシング制度について、排出削減との因果関係を事後評価した80件の調査研究をもとに483件の効果量を抽出した。その結果、少なくとも17種類の制度において、カーボンプライシングの導入が迅速かつ大幅な排出削減をもたらし、同時にほとんどの事例において価格水準は低く維持されていたことがわかった。これらの制度では、排出量に関して5%から21% の範囲で統計的に有意な削減効果が見られた(出版バイアスを補正した場合では 4%から15%)。

多くのカーボンプライシング制度に関しては有効性の評価が行われておらず、また排出削減に対する価格弾力性を検証した実証的知見がこれまで不足していたが、本研究の結果はこうした空白を埋めるものである。カーボンプライシング制度や他の気候政策に関しては、幅広い指標による総合的分析をより厳密に行って実効性のある手法を明らかにし、科学と政策の両面から気候変動対策に関する知見の集積を加速させる必要がある。

 

原文タイトル:Systematic review and meta-analysis of ex-post evaluations on the effectiveness of carbon pricing

論文著者:Niklas Döbbeling-Hildebrandt, Klaas Miersch, Tarun M Khanna, Marion Bachelet, Stephan B Bruns, Max Callaghan, Ottmar Edenhofer, Christian Flachsland, Piers M Forster, Matthias Kalkuhl, Nicolas Koch, William F Lamb, Nils Ohlendorf, Jan Christoph Steckel, Jan C Minx

公開日: 2024/05/16 

論文URL:https://doi.org/10.1038/s41467-024-48512-w

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