サウジアラビアのベジタリアン・ヴィーガンにおける動機と実践

The motivations and practices of vegetarian and vegan Saudis

Aroub Alnasser, Norah Alomran

2023/06/16

https://doi.org/10.1038/s41598-023-36980-x

論文概要

 

ゲストに肉料理を提供することは、中東、特にサウジアラビアの文化的伝統として深く根付いており、サウジアラビアでは肉を中心とした食事が標準である。このため、サウジアラビアにおいてヴィーガニズムやベジタリアンが広がっていることは驚くべきことであり、食と持続可能性の問題に関わってもいることから、この現象の背後にある人々の認識や動機を明らかにすることには意義がある。

本研究は、この新たな現象について調査し、サウジアラビアのベジタリアンとヴィーガンでは食生活に関するアイデンティティにどのような違いがあるか、Rosenfeld and Burrowによる質問票を用いて検証した。その結果、ヴィーガンでは、ベジタリアンに比べて向社会的な動機が構成要素として有意に高く、ヴィーガンでは社会全体を助けたいという欲求がより強い動機となっていることが示唆された。

また、ヴィーガンでは、(健康や幸福など)個人的な動機に関するスコアもベジタリアンに比べて高かった。環境と公衆衛生の観点からは、サウジアラビアのような肉食文化圏においてベジタリアンやヴィーガンの食生活を選ぶ個人にはどのような動機があるのか、その主な要因を理解することにより、他の多くの人々により健康的で持続可能な食行動を促すうえで有用となるかもしれない。

 

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