プラネタリーヘルス食指数と肺がんリスクの関連 106,542人を対象とした前向きコホート調査

論文概要

 

背景: プラネタリーヘルス食(PHD)は、人類の健康と環境の持続可能性のために設計された食事パターンで、プラネタリーヘルス食指数(PHDI)はその遵守度を評価するための標準的なツールである。肺がんはがんによる死亡において世界的に主要な原因の一つであるが、罹患するリスクとPHDIとの関連を検証した研究は限られている。本研究ではこの関連性を詳しく調査することを目的とした。

方法: 米国国立がん研究所による大規模なランダム化比較試験である「前立腺・肺・大腸・卵巣がんスクリーニング試験」の前向きコホート調査で得られたデータを使用した。参加者ごとにPHDIを算出し、プラネタリーヘルス食への遵守度を定量化した。肺がんとそのサブタイプの発生率について、PHDI との関連を推定するため、コックス比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。有意な関連が見られた場合に関してサブグループ解析を実施し、影響を及ぼす可能性のある修飾因子を特定した。得られた結果についてさらに感度分析を行い、頑健性と安定性を検証した。

結果: 8.8年にわたる追跡調査の結果、参加者106,542人のうち1,846人で肺がんが確認された。すべての要因を調整したモデルでは、PHDI が最も高い四分位に属する参加者における肺がんのリスクは、最も低い四分位の参加者に比べて29%低くなっていた(HR: 0.71, 95% CI: 0.62, 0.81; P < 0.001)。この逆相関は、非小細胞肺がんと小細胞肺がんのいずれに関しても一貫して認められた。

制限付き3次スプラインプロットでは、肺がん全体のリスクおよび非小細胞がんのリスクに関しては、PHDI との間に非線形の逆相関が見られ(P = 0.043および0.035)、小細胞がんでは線形の逆相関が見られた(P = 0.956)。サブグループ解析では効果に影響する有意な修飾因子は認められず、主要な結果は複数の感度分析でも安定しており、信頼性が高いことが確認された。

結論: 本研究の結果は、プラネタリーヘルス食指数が高くなるほど肺がん全体およびそのサブタイプである非小細胞肺がん・小細胞肺がんのリスクが低下することを示唆しており、肺がんを予防するための戦略としてプラネタリーヘルス食が有効であることを裏付けるものである。

 

原文タイトル:Association between planetary health diet index and lung cancer risk in 106,542 participants: a prospective cohort study

論文著者:Junjin Zhu, Haitao Gu, Ziyao Zeng, Yi Xiao, Yangpiaoyi Shi, Zhilin Me, Linglong Peng, Ling Xiang, Yuxiang Luo, Yikuan Chen, Xuemei Jiang

公開日: 2026/04/29 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2026.1794585

別のFACTを探す