プラントベース代替肉に関する食事ガイドライン 植物性タンパク質を多く摂りたい人へ

論文概要

 

プラントベースの代替肉(PBMA)の市場では新世代の製品が主流となりつつある。これらの製品は濃縮された植物性タンパク質を含み、特に赤肉をはじめとする食肉製品の味と食感を模倣するよう設計されている。公衆衛生当局は健康と環境のために食生活における植物性タンパク質の比率を高めるよう呼びかけており、PBMA の普及拡大は、こうした動きに一致するものである。

PBMA は、植物性タンパク質の摂取量を増やすという目標を達成するうえで特に重要な役割を担っている。プラントベースのホールフードには、豆・エンドウ豆・レンズ豆などの豆類が含まれるが、こうした製品によって植物性タンパク質の摂取量を増やすことは難しく、公共政策による大規模な取り組みが必要である。とはいえ、PBMA が健康に及ぼす効果や、ホールフード中心の伝統的なプラントベース食がもたらす利点が PBMA にもあるのかについては議論もある。

PBMA のこうした製品は高度に加工され、ナトリウム含有量が高いことが多く、食物繊維・レジスタントスターチ(難消化性でん粉)・ポリフェノールなど、プラントベース食が持つ利点に関連する成分の含有量は低いことが多い。一方、PBMA は優れたタンパク質源であり、多くの製品ではプラントベース食で不足しがちな栄養素が強化されている。

総合的に見て、ホールフードの豆類が持つ全ての利点が PBMA で得られるとは限らないものの、健康と環境の観点からは同等の動物性食品に比べて PBMA が優れていることは研究から示唆されている。大多数の人にとって、毎日の食事で PBMA を摂ることは健康的な食生活のために十分適したものである。また、PBMA の摂取量を増やすことで健康的な食生活に支障をきたすことはなく、これは特にタンパク質やカロリーを多く必要としている人にとって重要である。

 

原文タイトル:Dietary guidance on plant-based meat alternatives for individuals wanting to increase plant protein intake

論文著者:Virginia Messina, Nanci S Guest, Alison M Duncan, Ann Reed Mangels, Jack Norris, Matt Ruscigno, Andrea J Glenn, Taylor Wolfram, Christopher P F Marinangeli, Mark Messina

公開日: 2025/08/05 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1641234

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