プラントベース代替食品への転換が健康と環境に与える影響 リスク・ベネフィット評価

論文概要

 

目的: プラントベース代替食品(PBA)は動物性食品の特性を再現した食品で、健康に良いとされるフレキシタリアンやベジタリアンの食生活への転換を推進することができる。しかし、PBA は超加工食品に分類されることがあるうえ、こうした転換によって健康的な動物性食品(魚など)を排除してしまうとすれば、意図しない健康リスクを招く可能性がある。本研究では、動物性食品をPBAに置き換えた場合に健康と環境に及ぼす影響を定量化する。

方法: ポルトガル国民食事調査(成人3852名、2015–2016年)のデータを用い、動物性食品をPBAに置き換える3種類のシナリオを以下のようにモデル化した:ヴィーガン(すべての動物性食品をPBAに置き換える)、オボラクトベジタリアン(肉と魚を PBA に置き換える)、ペスカタリアン(肉をPBAに置き換える)。PBA による置き換えの割合は4つの異なるレベル(33%・50%・67%・100%)を想定し、PBAは超加工食品とそれ以外の2種類に分けて検討した。健康への全体的影響については、がん・心血管疾患・代謝性疾患など複数の健康アウトカムに障害調整生命年(DALYs)を統合して推定した。環境への影響は温室効果ガス排出量と土地利用を用いて測定した。

結果: 環境面では明らかなベネフィットがあり、これは特にヴィーガンのシナリオで顕著であった。健康への影響に関しては、すべての動物性食品を100%代替する場合(ヴィーガン・シナリオ)、PBA が超加工食品に分類するとすれば、リスクとなる可能性がある(平均ΔDALY=72,109年)。全体として最も大きな便益が得られるのは、肉類のみを100%代替した場合で(ペスカタリアン・シナリオ)、こうした効果は PBA を超加工食品に分類するか否かに関わらず認められた(超加工食品:平均ΔDALY=−40,202年;非超加工食品:平均ΔDALY=−88,827年)。

結論: PBA は動物性食品を代替できる現実的な選択肢であると考えられる。本研究の結果は、肉類の置き換えは健康と環境の両面において便益をもたらす重要な要因であることを強く示唆している。

 

原文タイトル:Health and environmental impacts of shifting to plant-based analogues: a risk-benefit assessment

論文著者:Catarina Carvalho, Daniela Correia, Sofia Almeida Costa, Rita Pereira, Andreia Oliveira, Elisabete Pinto, Carla Lopes & Duarte Torres

公開日: 2025/07/05 

論文URL:https://doi.org/10.1007/s00394-025-03749-z

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