プラントベース食が関わるエピジェネティック老化の遅れ

論文概要

 

プラントベースの食生活には健康上のメリットがあるとされている。エピジェネティック老化はDNAメチル化に基づいて算出されるが、DNAメチル化のパターンは食事からの摂取内容によって変化する可能性がある。しかし、非ベジタリアンが大半を占める集団においてプラントベース食がこうした測定値に影響しているかどうかは不明である。

本研究では、プラントベース食の遵守度を示す4つの指標(プラントベース食全般・プロベジタリアン食*・健康的なプラントベース食・不健康なプラントベース食)に関して、エピジェネティック老化との関連性を検討した。データは「地域における動脈硬化リスク研究(ARIC・2,810人)」、および「米国国民健康栄養調査(NHANES・2,056人)」から得られた。

遵守度のスコアが低くなるほど動物性食品の摂取量が増えるのに対し、スコアが高くなるほどプラントベース食品全般または特定のプラントベース食品の摂取量は増え(プラントベース食全般およびプロベジタリアン食)、健康的なプラントベース食および不健康なプラントベース食の摂取量は増えていた。老化との関連性を検討するため、上記の各研究に関してGrimAge2・HannumAge・PhenoAge のエピジェネティック・クロックを用いた。推定値に関するメタアナリシスには固定効果モデルを用いた。

プラントベース食全般・プロベジタリアン食・健康的なプラントベース食では、スコアが1標準偏差(SD)高くなるごとに、GrimAge2で測定した老化速度には遅れが見られた(β= -0.28~-0.16・すべての検定でP < 0.05)。プラントベース食全般およびプロベジタリアン食のスコアが高くなるほど PhenoAge における老化には遅れが見られ、プラントベース食全般のスコアに関しては HannumAgeでも同様の遅れが見られた。不健康なプラントベース食のスコアについては有意な関連は認められなかった。

植物性食品を多く含み動物性食品を控える食習慣によって生物学的老化が遅れる可能性がある。

* 植物性食品の摂取を優先し、動物性食品を制限する食事パターン

 

原文タイトル:Plant-based dietary patterns are associated with slower epigenetic aging

論文著者:Hyunju Kim, Christina A Castellani, Jiantao Ma, Alexis C Wood, Audrey Ting, Morgan E Grams, Bing Yu, Kelly Ruggles, James S Floyd, Dan E Arking, Casey M Rebholz

公開日: 2026/03/20 

論文URL:https://doi.org/10.18632/aging.206362

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