プラントベース食と前立腺がんの進行リスク

論文概要

 

研究の重要性: プラントベースの食生活には健康と環境の観点から多くの利点があり、生命にかかわる前立腺がんの一次予防における効果はその一つである。しかし、前立腺がんと診断された患者がプラントベースの食事パターンを遵守する場合にどのような影響があるかはわかっていない。

目的: 前立腺がんの進行リスクと前立腺がんによる死亡率について、すでに診断された患者がプラントベース食を遵守することで違いがあるかどうかを検証する。

研究デザイン・設定・参加者: 本研究は縦断調査による観察研究で、生検により非転移性前立腺がん(病期≤T3a)と診断された男性を対象とした。これらの参加者は1999年から2018年に米国の43医療機関の泌尿器科を受診し、「前立腺がんに対する泌尿器科学的戦略研究CaPSURE」において食習慣と生活習慣に関する下位調査に登録された患者である。調査は2004年から2016年に実施され、参加者は食生活と生活習慣に関して、標準的な食品摂取頻度調査票を含む包括的なアンケートに回答した。データ解析は2022年8月から2023年4月に実施した。

結果: 対象となった参加者は2062名で(年齢の中央値[四分位範囲]:65.0[59.0-70.0]歳)、 このうち61名(3%)がアフリカ系アメリカ人、3名(<1%)がアメリカ先住民またはアラスカ先住民、9名(<1%)がアジア系または太平洋諸島系、15名(1%)がラテン系、1959名(95%)が白人であった。前立腺がんと診断されてから食品摂取頻度調査を実施するまでの期間は、中央値(四分位範囲)で31.3(15.9-62.0)ヵ月であった。食品摂取頻度調査を実施した後の追跡期間は、中央値(四分位範囲)で6.5(1.3-12.8)年で、がんの進行に伴う事象が見られたのは190例、前立腺がんによる死亡数は61例であった。

プラントベース食の遵守度が最も高い五分位に属する男性では、最も低い五分位に属する男性と比較して、がんが進行するリスクが47%低くなっていた(HR、0.53;95%CI、0.37-0.74;傾向のP値=0.003)。健康的なプラントベース食の遵守度(hPDI)は、全体としての進行リスクとは関連していなかった。しかし、診断時にグリーソングレードが7以上であった680名では、hPDIが最も高い五分位の男性は最も低い五分位の男性と比較して、進行リスクが55%低くなっていた(HR 0.45;95% CI、0.25-0.81;傾向のP値 = 0.01)。グリーソングレード7未満の患者では遵守度との関連は見られなかった。

結論と意義: 前立腺がん患者2062名を対象としたコホート研究では、前立腺がんと診断された後にプラントベース食品の摂取量が多くなるほど、がんの進行リスクは低下していた。これらの結果から、前立腺がん患者が健康的な食習慣を確立し、生活の質と健康を維持するためには栄養学的な評価や栄養指導が推奨されると考えられる。

 

原文タイトル:Plant-Based Diets and Disease Progression in Men With Prostate Cancer

論文著者:Vivian N Liu, Erin L Van Blarigan, Li Zhang, Rebecca E Graff, Stacy Loeb, Crystal S Langlais, Janet E Cowan, Peter R Carroll, June M Chan, Stacey A Kenfield

公開日: 2024/05/01 

論文URL:https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.9053

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