プラントベース食と気候変動 感染症医療従事者の視点から

Plant-Based Diets and Climate Change, A Perspective for Infectious Disease Providers

Melissa Whitman, Aldo Barajas-Ochoa, Sangeeta Sastry, Gonzalo Bearman

2025/04/10

https://doi.org/10.1093/ofid/ofaf222

論文概要

 

人為に起因する地球規模の気候変動は喫緊の課題となっている。最近の医学研究では、気候変動に伴って感染症のパターンが世界的に変化して発生率が増加するなど、人間の健康に悪影響を及ぼしていることが明らかにされている。

畜産は温室効果ガス排出を引き起こす大きな要因であり、薬剤耐性菌の増加は畜産動物の飼料に抗生物質を使用することによって広がっている。こうした状況にもかかわらず、動物性食品に対する世界の需要は急速に伸び続けている。

さらに、肉を食べることは健康への悪影響ともつながっている。一方、プラントベースの食生活には健康上のベネフィットがあり、健康的なライフスタイルの一部として医学関連の多くの学会から支持されている。

感染症の専門医をはじめとする医療従事者は、食生活に関するカウンセリングのサービスを提供する特別な立場にある。プラントベース食を採り入れることは、気候変動に立ち向かうとともに健康アウトカムを改善できる二重の戦略であり、本稿の総説ではこのことを特に感染症対策の観点から提唱するものである。

 

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