プラントベース食は筋力を損なうのか? 無作為化比較試験のシステマティックレビュー

論文概要

 

背景: プラントベース食に対する関心は高まりつつあるが、人間の健康と環境の持続可能性にとって有益であることがその理由である。しかし、プラントベース食がアスリートの筋力にどのような影響を及ぼすのかについては未だ不明な点が多い。このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、成人の筋力に対する影響について、プラントベース食を雑食と比較して検証した。

方法: 包括的かつ透明性の高いレビューを実施するため、「システマティックレビューおよびメタアナリシスのためのガイドライン(PRISMA)」のプロセスに準拠した。文献調査にはMEDLINE・The Cochrane Library・Web of Science・Scopus を含む4つの電子データベースを使用し、各データベースの創設時から2024年9月2日までに発表された研究論文を検索した。プラントベース食が上下肢と全身の筋力に及ぼす影響を無作為化比較試験によって検証した研究を対象とした。抽出された無作為化比較試験のバイアスに関してはCochrane Risk of Bias 2.0ツールを用いてリスクを評価した。効果量の推定には標準化平均差(SMD)を用い、ランダム効果メタアナリシスにはPaule-Mandel補正を施した逆分散モデルを用いた。

結果: 選択基準を満たした無作為化比較試験は8件で、対象となった参加者は合計188名であった(女性46%、平均年齢20~65歳)。メタアナリシスの結果、上肢の筋力に関してはプラントベース食と雑食の間に有意差は見られなかった(SMD、-0.12;95%信頼区間[CI]、-0.50~0.27; n = 146)。下肢の筋力でも有意差はなく(SMD、0.18;95% CI、-0.31~0.67;n = 188)、全身の筋力についても同様であった(SMD、0.21;95% CI、-0.16~0.58;n = 188)。

結論: 本研究のメタアナリシスは、雑食に比べてプラントベース食が筋力を損なうことはないことを示唆している。今後の研究では主要な栄養素を考慮に入れるとともに、こうしたプラントベースの食事パターンが長期的に筋力に及ぼす影響を明らかにする必要がある。

 

原文タイトル:Are Plant-Based Diets Detrimental to Muscular Strength? A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

論文著者:Miguel López-Moreno, Eugenio Viviani Rossi, José Francisco López-Gil, Paula Marrero-Fernández, Alberto Roldán-Ruiz, Gabriele Bertotti

公開日: 2025/06/02 

論文URL:https://doi.org/10.1186/s40798-025-00852-7

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