ベジタリアン食の選択を促進する利他的インセンティブ: フィールド実験

Using prosocial incentives to promote vegetarian food choices: A field experiment

Florian Lange, Marjolein Cnudde, Hannah Maesen

2023/01/13

https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2023.104812

論文概要

 

  • パスタ・レストランにおけるベジタリアン料理と非ベジタリアン料理の選択について調べた
  • ベジタリアン料理を選択することに、利他的インセンティブ(慈善寄付など)を関連付けた
  • 利他的インセンティブは、対照条件と比べてベジタリアン料理の選択を促進した
  • 他の利他的インセンティブにおける比較では差はなかった
  • 肉の消費を減らすために利他的インセンティブが有効であった

ベジタリアン食は、アニマルウェルフェアや人間の健康、自然環境にとって有益な結果をもたらすが、このような効果は概して日常の食事の選択とはかけ離れていて実感しにくいことが多い。今回のフィールド実験(N = 741人)では、ベジタリアン食の選択を、さらに具体的な結果と結びつけることで促進できるかどうかを検討した。あるパスタ・レストランの客に、ベジタリアン・パスタを1品購入するごとに、環境保護団体に少額の寄付をすることを伝えた。

この利他的なインセンティブを導入すると、ベジタリアン料理を選択する確率は、対照条件と比較して50%、ベースラインと比較して75%、有意に増加した。単に寄付の金額だけを伝えた利他的インセンティブを用いた場合と、より具体的なインセンティブでベジタリアン料理の選択と植林を関連づけた場合とでは、両者の間に有意な差は見られなかった。これらの結果は、肉の消費を減らしベジタリアン食による代替を推進するための行動変容手法として、利他的インセンティブが有効であることを示している。

 

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