ベジタリアン食をデフォルトにしたナッジで食肉消費を削減する 実地調査による検証

論文概要

 

食肉消費による悪影響は生態系の持続可能性を損ない、健康や動物福祉にも及んでいる。これまでの研究では、(レストランなどで)ベジタリアン食をデフォルトとして商品の配置を変えることが有効であるとされている。しかし、こうしたデフォルト設定による誘導が実際の食肉消費における行動変容につながるのか、またその効果が長期的に持続するかどうかはわかっていない。

このフィールド実験では、(a) ベジタリアン食をデフォルトにして誘導することが現実の環境における食品の選択に影響するのか、(b) ベジタリアン食をデフォルトに設定することが長期的に食品の選択や心理的抵抗のメカニズム(反発心や慣性効果など)とどのように関連しているのかを検証した。

その結果、ベジタリアン食をデフォルトとする誘導は食品の選択を変える上で極めて有効であり、ベジタリアン食の販売数は介入前の2倍以上に増加した。さらに、デフォルトで誘導した条件では肉類を用いた料理の販売数は介入前の3分の1未満にまで減少した。一方、調査データからは、介入に対する抵抗感や慣性効果などの心理面での副作用は見られなかった。こうした傾向は介入後の時間経過を通じて安定していた。

本研究の結果は、強制によらない手法が有効であることを実証するものであり、消費者の行動をより持続可能で動物に優しく、健康的な食品選択へと変容させることができることを示している。

 

原文タイトル:Reducing meat consumption through default nudging: a field study

論文著者:Tamar F Ardesch, Sandra Klaperski-van der Wal, Sari R R Nijssen, Barbara C N Müller

公開日: 2025/04/30 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1439641

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