ペットとの生活が動物福祉に対する態度と消費行動に及ぼす影響 中国の大学生を対象とした調査

論文概要

 

動物福祉への関心は世界的に高まりつつあり、これに関連した個人の態度や消費行動を形成する要因を理解することが重要となっている。本研究では中国の大学生を対象とし、ペットと生活した経験によって動物福祉に対する態度や、これに関連した購買意思にどのような影響が見られるかを検証した。

その結果、ペットを飼育している世帯の学生では、動物に対する共感や動物福祉の認識に関してより肯定的な態度と行動が見られた。また、動物福祉を認証された製品(牛乳)を購入する意欲や、認証ラベルに対して割増金を支払う意欲に関しても同様の傾向が見られた。ペットと暮らすことによって感情面での共鳴が育まれ、動物福祉に対する共感と認識が高まることがわかった。また、消費行動をシミュレーションした実験では、動物福祉を認証された製品に対する選好に結びついていた。

本研究では、内生性の問題に対処するため傾向スコアマッチングを利用し、動物福祉に対する態度とこれに関連する消費行動について理論的考察を進めた。今後さらに動物福祉を推進するうえでは、教育機関と政策的な枠組み、さらに市場メカニズムによる連携が不可欠であり、動物福祉の原則に対する理解と実践の普及を図る必要がある。

 

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