ヴィーガン・ベジタリアン・雑食の青少年における動機と健康行動

論文概要

 

背景: より健康的な食習慣へと向かう世界的な潮流の中で、若い世代はより持続可能な食料生産を強く求めていると思われる。中等教育の年代から持続可能で健康を意識した行動に取り組むとすれば、長期的には生涯を通じて慢性非感染性疾患の予防につながる可能性がある。

目的: ヴィーガン・ベジタリアン・雑食の食生活を実践する中高生を対象として、食生活に関わる動機と健康行動の特徴を分析した。

方法: オーストリアの中高生(10~19歳、中等教育の第1・第2段階)を対象として多段クラスター抽出法による横断研究を実施した。参加者は保護者・教師の監督下または単独でオンライン調査票に回答し、個人の特性、身体活動レベル、栄養摂取の習慣、食生活の動機、アルコール・ニコチンの摂取に関する質問に答えた。統計解析にはカイ二乗検定および分散分析を用いた。

結果: 合計8799名の生徒が参加し(男子3249名・女子5550名、平均年齢15.1±2.3歳)、これを食事パターンによってヴィーガン(1.6%)、ベジタリアン(5.6%)、雑食(92.8%)に分類した。男子の食生活は女子に比べて雑食の傾向が強かった(97%;P<0.01)。参加者全体で見た場合、食事パターンを実践するうえで最も重要な動機は健康であった(33.6%;2959名)。ヴィーガンのグループでは、スポーツ活動におけるパフォーマンスの向上が食習慣を守る主な動機であった(20.1%)。ヴィーガン食を実践する生徒は、余暇時間における身体活動量が最も高く(86.6%;P < 0.01)、週単位での身体活動も一貫して高かった(3.4 ± 1.2 日/週;P < 0.01)。また、一日当たりの果物・野菜の摂取量はヴィーガンで最も多く(81.7%および80.3%; P < 0.01)、次いでベジタリアンのグループとなっていた(72.4%および84.2%)。

結論: 本研究は、中高生を対象としてヴィーガン・ベジタリアン・雑食の動機および健康行動を検証した最初の調査である。得られた結果からは、青少年期にヴィーガン食を実践することが健康面での望ましい行動選択に結びついていることが明らかになった。

 

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