ヴィーガン食と雑食のソウルフード アフリカ系米国人における受容度や空腹感の違い

論文概要

 

ソウルフード栄養食調査 Nutritious Eating with Soul(NEW Soul)は、アフリカ系の米国成人を対象とした24ヶ月間の無作為化栄養介入による行動研究である。本研究ではNEW Soul調査のデータを二次的に分析し、食事内容に対する受容度、自発的な食事制限、(食事制限からの)脱抑制、空腹感にどのような変化があるかを検証した。参加者159名(女性79%、大学卒以上74%、平均年齢48.4歳)を、ソウルフードのヴィーガン食(77人)または雑食(82人)のいずれかに無作為に割り付け、2年間にわたる栄養介入を実施した。

調査では、食事内容への受容度に関する質問票 Food Acceptability Questionnaire (FAQ) および食事制限・脱抑制・空腹感についての質問票(Three-Factor Eating Questionnaire; TFEQ)を使用し、参加者は介入前のベースライン・3か月後・6か月後・12か月後・24か月後の時点でこれらの質問票に回答した。データ分析ではグループと調査の時点を主効果とし、これらの交互作用(グループ×時間)を含む混合モデルを設定し、治療企図解析によってFAQおよびTFEQスコアの平均値の差を推定した。

雇用状況・教育歴・食生活の状況・性別・年齢による影響を調整した結果、12か月時におけるFAQの1項目を除き、いずれの時点においてもFAQの下位項目および総得点、食事制限、脱抑制、空腹感に関する各スコアにはグループ間差が認められなかった。ヴィーガン食の参加者では、雑食の参加者に比べて食後の満足度がよりも大きく増加していた(平均差 0.80 ± 0.32、95% CI 0.18, 1.42; P = 0.01)。

本研究はアフリカ系米国成人を対象として、ヴィーガンと雑食のソウルフードを食事の受容性、空腹感、食事に関するその他の要因の違いに関して無作為比較で初めて検証した研究の一つである。上記の結果は、プラントベース食への受容度が雑食と同程度であること、さらに空腹感や食事制限、脱抑制における変化も雑食と類似していることを示している。また、プラントベース食が心血管疾患を予防するための食事パターンとして受容されることや、食後の満足感の向上につながる可能性があることも示唆している。

 

原文タイトル:Differences in dietary acceptability, restraint, disinhibition, and hunger among African American participants randomized to either a vegan or omnivorous soul food diet

論文著者:Gabrielle M Turner-McGrievy, Sara Wilcox, Edward A Frongillo, Yesil Kim, Nkechi Okpara, Mary Wilson

公開日: 2024/02/17 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.appet.2024.107280

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