ヴィーガン食の実践における内省 チリ・サンティアゴにおける質的研究

Reflexivity in Vegan Eating Practices: A Qualitative Study in Santiago, Chile

Claudia Giacoman, Camila Joustra, Francisco Del Río, Isabel Margarita Aguilera Bornand

2023/01/21

https://doi.org/10.3390/su15032074

論文概要

 

プラントベースの食生活とヴィーガニズムは、地球温暖化と二酸化炭素排出を削減する必要性から、学術領域や社会で広く議論されるようになった。これまでの研究では、こうしたライフスタイルを送るための中心的なものとしてヴィーガンの食生活が分析されてきたが、これらはヴィーガンの消費における物質的な側面に焦点を当てたもので、食の選択においてどのような認知のアプローチが採られているかが取り上げられることはなかった。

本研究では、非動物性食品の消費を選択する際にヴィーガンが採っている認知と実践のアプローチを分析した。このため、チリ・サンティアゴに居住する若年層のヴィーガンを対象として自伝的インタビュー調査を実施した。

こうした人々にとってヴィーガニズムを選択することは、新たな社会的アイデンティティを持つことであり、食べられるもの・食べられないものというカテゴリーを再定義することを意味していた。このようなヴィーガンのアイデンティティを維持するためには、自らの食行動をコントロールするだけでなく、それについて内省することが求められる。新たな食習慣は個人レベルや仲間同士での学習を通じて確立され、これによって食事に関する日々の選択は容易となるが、常に熟慮されたものになっている。

本研究の結果は、プラントベース食品の消費に関する新たな知見を提供するととともに、ヴィーガニズムは(食べられる・食べられないという)食品についての新しいカテゴリー化や、食べることに関する内省のルーチン化を伴うものであることを示している。

 

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