人新世の食糧: 持続可能な食糧システムから生まれる健康的な食生活に関する EAT-Lancet 委員会

Food in the Anthropocene: the EAT–Lancet Commission on healthy diets from sustainable food systems

Walter Willett, Johan Rockström, Brent Loken, Marco Springmann, Tim Lang, Sonja Vermeulen et al.

2019/01/16

https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31788-4

論文概要

 

食糧システムには、人類の健康を育み、環境の持続可能性を支える潜在力があるが、これらはいずれも脅かされているのが現状である。世界の人口は増加を続けており、持続可能な食糧システムによって健康的な食生活を提供することが喫緊の課題となっている。

世界の食糧生産カロリーは人口増加に追いついているものの、8億2,000万人以上が食糧不足に陥っている。また、それよりさらに多くの人々が質の劣る食生活を続けているため、微量栄養素の欠乏を引き起こし、食生活に関連した肥満や、冠動脈性心疾患・脳卒中・糖尿病など、食生活に関連した非感染性疾患の発生率が大幅に上昇する原因となっている。

不健康な食生活は、罹患率や死亡率で見た場合、危険な性行為やアルコール、薬物、タバコの使用を合わせたよりも大きなリスクをもたらしている。世界人口の多くが適切に栄養を摂取できていないことや、環境に存在するシステムやプロセスの多くが食糧生産のために安全な限界を逸脱していることから、世界的なレベルで食糧システムを変革することが緊急に必要である。

 

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