人間と動物の関係を再考する 社会心理学の重要な役割

Rethinking human-animal relations: The critical role of social psychology

Kristof Dhont, Gordon Hodson, Catherine E. Amiot

2019/09/04

https://doi.org/10.1177/1368430219864455

論文概要

 

人々はコンパニオンアニマルとの絆を深く大切にする一方で、他の動物を人間の興味や欲望を満たすため商品に過ぎないと考え、当然のように軽視している。この複雑な状況は本質的に社会的なものであり、集団間の問題であるが、それにもかかわらず、社会心理学は人間と動物の関係を理論的枠組みの中に統合することを長い間怠ってきた。

本稿では、以下の問題に関して社会心理学における研究の進展を総括する: 1.動物を社会集団として我々が認識し、考える際に働いている要因、2.動物を大切にすること(世話をすること)と軽視すること(搾取すること)の複雑さ、3.人間と動物の関係が、人間の集団間の関係に対してどのような意義と重要性を持っているか。

人間の集団間の関係に関する研究では、様々な研究パラダイムや理論的枠組みが開発されてきたが、本稿ではこれらのうち人間と動物の関係を理解するうえで関連性・重要性のあるものについて概観する。さらに、ヒトと動物の関係を理解し、再考することは、人間の集団間で見られる多くの現象をより包括的に理解することにつながることを明確にする。

 

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