代替タンパク質の受容度向上における社会的規範の重要性

論文概要

 

従来の肉とは異なる材料を用いた代替タンパク質製品の開発は、環境負荷や健康リスクの問題に対処する手段のとなり得る。しかし代替タンパク質が消費者に受け入れられるとは限らず、代替タンパク質への移行を進めるためにはさらなる研究が必要である。

これまでの研究では主に個人の動機や認識が問題とされてきたが、本研究では身の回りの他者がどう見ているかという社会的規範の認識が代替タンパク質の受容に大きく影響すると予想した。オンライン調査では、2015年に2461名、2019年に2000名を対象とした横断データを収集した。参加者の一部(500人)は2回の調査に回答しているため、縦断データとなっている。

その結果、以下のような新しい知見が得られた。1.(代替タンパク質の受容には)個人の動機や認識に加え、社会的規範によって説明される要素があることが実証された、2.こうした傾向は時間が経過しても持続する、3.食生活のパターンが異なる消費者では、社会的規範による影響に違いが見られた。肉を好んで食べる人とフレキシタリアンは社会的規範に従う傾向が強く、一方、肉を控える人々は個人の態度や価値観に従う傾向が強かった。

本研究の結果は、価値観や態度といった個人的な要因とは異なる他の要因の重要であることを示すとともに、代替タンパク質の受容に関しては社会的要因を考慮する必要があることを強く示唆している。

 

原文タイトル:Social Norms Support the Protein Transition: The Relevance of Social Norms to Explain Increased Acceptance of Alternative Protein Burgers over 5 Years

論文著者:Marleen C Onwezen, Muriel C D Verain, Hans Dagevos

公開日: 2022/10/28 

論文URL:https://doi.org/10.3390/foods11213413

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