低炭素型食料システムに向けたポリシーミックス

論文概要

 

現在の食料システムによる温室効果ガス排出量は、世界全体の総排出量の約3分の1を占めており、食料生産と消費における慣行を低炭素型へと早急に転換する必要がある。炭素価格の設定は、動物性タンパク質の生産に伴う外部コストを内部化するうえで有効である。従来、肉類や乳製品への課税といったハード型の政策手段に加え、ナッジによる行動誘導といったソフト型の手法を併用することで人々にプラントベースの食習慣を促すことが提唱されてきた。

しかし、ハードとソフトのこうした政策手段はいずれも単独で用いた場合には限界がある。課税のようにハード型の政策は不人気と見なされがちであり、またソフト型の手法では効果が乏しい可能性がある。こうした観点から、より新しく革新的な政策手段の立案は食料システムを変革するうえで極めて重要である。

本稿で提案する新たな政策手段は、ハード型では「排出量取引制度(ETS)」といった手法であり、ソフト型に近い手法としては「自主カーボンオフセット(VCO)」などが含まれる。ナッジ誘導と介入の組み合わせで見られるように、これらの政策手段はいずれもよりソフト型の他の手法と組み合わせることが可能である。

持続可能な食料システムへの移行は喫緊の課題であるが、政策手段におけるイノベーションに加え、ハード・ソフトの手法を順次導入することにより、人々が受け入れやすい道筋を創出することが可能となる。これによって従来の食料政策を強化するとともに、ひいてはこうした政策による効果を高めることができる。

 

原文タイトル:Policy mix for a low-carbon food system

論文著者:Marta Buso, Sanchayan Banerjee, Thales A P West

公開日: 2026/03/31 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2026.1766609

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