入院患者のためのプラネタリーヘルス・メニュー カナダの病院における実証研究

論文概要

 

景: EAT-Lancet委員会によるプラネタリーヘルス食など、植物性食品を豊富に含む食習慣の普及が進むことで気候変動が緩和されるだけでなく、健康や社会にも好影響を及ぼす可能性がある。本研究では、急性期の医療現場における栄養面のニーズと制約を満たすことを念頭に、入院患者向けの植物性食品を豊富に含むメニューを開発・導入し、このメニューに対する患者側の受容性を検証した。

方法: プラネタリーヘルス食に準じたメニュー(PHメニュー)を作成するため、昼食と夕食において温室効果ガス排出量の多い料理を、排出量の少ない新しい料理に置き換えた。このPHメニューについて、タンパク質特性・栄養充足率・プラネタリーヘルス食の基準との整合性・環境に及ぼす影響の観点から、従来から病院で提供されているメニューと比較した。これに続いてプラネタリーヘルス・メニューを病院全体で提供し、その受容性を評価するため、提供の頻度・患者の満足度・食品廃棄量を測定した。

結果: 18種類の新しい料理がPHメニューに取り入れられ、これらは栄養学的に適正であり、従来の病院メニューに比べると文化的にも多様性に富むものであった。昼食と夕食に植物性食品のみを使った料理は、元のメニューには全くなかったが、新しいメニューでは28品のうち11品まで増加した(39%)。このPHメニューでは、温室効果ガスの排出量は平均 4.82 kg CO2相当から2.93 kg CO2相当へと39%減少し、土地利用量は平均 10.42 m2から5.19 m2へと51%減少した。プラネタリーヘルス食の基準に関するスコアは61.2点から81.0点へと増加し、整合性は32%向上していた。新しいメニューは661名の入院患者のうち平均443名(標準偏差66.67%)に提供され、満足度について中程度から高いと回答した患者は84%であった。使用された魚・大豆・豆類の廃棄率は、同じタンパク質を含む従来の料理における廃棄率よりも有意に低かった。

解釈: 植物性食品を豊富に含む食事パターンは入院医療の現場に適応させることが可能であり、患者の好みや栄養要件を満たすとともに、環境面でも大きなベネフィットをもたらすものとなる。

 

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