公立学校の給食における栄養の質と環境への影響 現状の評価とベジタリアン食のメリット

論文概要

 

背景・目的: 学校給食は公共政策の重要な構成要素であり、健康の促進と教育成果の向上、不平等の是正、さらに適切な食糧を得る権利の保障を目指すものである。本研究では、ブラジルの連邦管区にある公立学校で生徒に提供される学校給食について、その栄養の質を評価し、環境への影響をカーボンフットプリントとウォーターフットプリントによって定量化するとともに、学校給食で厳格なベジタリアン食を提供した場合の削減効果をシミュレーションした。

方法: 本研究は横断調査による記述研究で、ブラジルの連邦直轄区にある全日制の公立学校において2024年に提供された130日分の献立(390食)に関するデータを収集・分析した。栄養の質に関しては、エネルギー・栄養素・食品群・加工度・食品の産地に基づいてスコアを算出し評価した。カーボンフットプリントおよびウォーターフットプリントに関しては、先行研究で得られた指標を用いて推定した。さらに、厳格なベジタリアン食で栄養学的に適正な献立を作成し、実際に使われている献立と比較した。

結果: 現在の学校給食では多様な食品が使用され、生鮮食品や加工を最小限にした食品が主体であるなど、栄養の質は全体として良好であった。栄養に関するほとんどの指標は推奨される水準を満たしていたが、タンパク質と飽和脂肪は推奨される上限値を上回っていた。カーボンフットプリントおよびウォーターフットプリントの大部分は動物性食品に起因するものであった。献立を厳格なベジタリアン食としてシミュレーションした場合、栄養素の摂取量を適切に維持しながら、環境への影響を有意に低減することができた。

結論: 学校給食を通じて生徒の健康を向上させ、環境に与える負荷を軽減するためには、食育や栄養教育に加えて毎週の「ミートレス・マンデー」による取り組みのように、栄養戦略と環境戦略の統合が重要である。学校給食の計画や公共機関での食品調達における基準として環境の持続可能性を取り入れることにより、栄養の質と資源効率を向上させ、気候目標に向けた取り組みを推進することが可能となる。学校給食プログラムはこうした意味で持続可能な成長のための戦略的手段として位置づけられるものである。

 

原文タイトル:Nutritional Quality and Environmental Impact of Public School Meals: Evaluation of Current Meals and Potential Benefits of Vegetarian Diets for Sustainable Improvement

論文著者:Julia Serejo Mello, Ana Clara Rocha Rodrigues, Eduardo Yoshio Nakano, Gabriella Carvalho Medeiros Carvalho Branco, Maria Clara Corrêa de Alcantara, Shila Minari Hargreaves

公開日: 2026/07/11 

論文URL:https://doi.org/10.3390/nu18142269

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