動物性成分を含まない培地を用いた培養鶏肉の連続製造 技術経済性分析による費用対効果は高い

Empirical economic analysis shows cost-effective continuous manufacturing of cultivated chicken using animal-free medium

Laura Pasitka, Guy Wissotsky, Muneef Ayyash, Nir Yarza, Gal Rosoff, Revital Kaminker & Yaakov Nahmias

2024/08/21

Empirical economic analysis shows cost-effective continuous manufacturing of cultivated chicken using animal-free medium

論文概要

 

畜産物に対する需要は増大しつつあり、細胞農業の目的はこれを満たすことにある。しかし、現在の生産技術では収量が低いため、経済的な見通しから培養肉の生産を拡大するのは難しい状況にある。

本研究では、タンジェンシャルフローろ過を用いて培養肉の連続製造を行い、1 mlあたり最大130×106個の細胞からなるバイオマスを生産した。これは、43% w/vの収量に相当し、20日以上にわたって複数回の収穫が可能であった。連続製造を行うため、動物性成分を含まず、ニワトリ細胞の長期高密度培養が可能な培養液を1リットル当たり0.63米ドルで調製した。

ここで得られた実験データをもとに、理論上で50,000リットルの生産施設に用いた場合の技術経済性分析を行ったところ、灌流技術を用いることにより、培養鶏肉にかかるコストはオーガニック鶏肉と同程度の1ポンド当たり6.2 米ドルまで下がることがわかった。

実際の市場価格には他の要因も影響すると考えられるが、連続生産によって培養肉の生産を拡大する際のコストを削減することが可能になる。

 

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