在宅高齢者におけるフレイルとプラントベース食 スペインにおける高齢者コホート研究

論文概要

 

フレイルは老年期に好発し、入院や機能障害、死亡のリスクが高くなる症候群である。プラントベース食の質はその内容によって分類されるが、フレイルに対してどのような影響があるかは知られていない。本研究ではスペインの在宅高齢者を対象として、プラントベース食に関する2種類の指標がフレイルの発症とどのように関連しているかを検証する。

スペインの高齢者コホート研究「ENRICA-1」に登録された60歳以上の参加者 1,880名から得られたデータを分析した。標準化された食事記録法を用いて次の2つの指標を作成した:(a) 「健康的なプラントベース食の遵守度(hPDI)」は、健康的なプラントベース食品に正のスコア、不健康なプラントベース食品および動物性食品には負のスコアを付与した合計スコアとして算出し、(b) 「不健康なプラントベース食の遵守度(uPDI)は、不健康なプラントベース食品に正のスコア、動物性食品および健康的な植物性食品には負のスコアを付与した合計スコアとして算出する。フレイルの発症は、Friedの診断基準に基づいて定義した。多変量ロジスティックモデルで得られたオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を用いて研究間の関連性を要約した。追跡期間は平均3.3年間で、フレイルの発症は136例で確認された。

プラントベース食の遵守度が最も高い3分位のグループを最も低い3分位のグループと比較すると、フレイルの発症に関するオッズ比(95% CI)は、健康的なプラントベース食では 0.43(0.25–0.74;p-trend = 0.003)、不健康なプラントベース食では 2.89(1.73–4.84;p-trend < 0.001)であった。健康的なプラントベース食品の摂取量が増えると、フレイルとの関連は低くなっていた(0.39 [0.23–0.66; p-trend < 0.001])。一方、不健康なプラントベース食品の摂取量が増えるとともに、フレイルを発症する危険度は増加していた(2.40 [1.23–4.71; p-trend = 0.01])。

高齢者では、健康的なプラントベース食はフレイルの危険度が低下していたのに対し、不健康なプラントベース食についてはこれとは逆の傾向が見られた。

 

原文タイトル:Plant-based diets and risk of frailty in community-dwelling older adults: the Seniors-ENRICA-1 cohort

論文著者:Javier Maroto-Rodriguez, Mario Delgado-Velandia, Rosario Ortolá, Adrián Carballo-Casla, Esther García-Esquinas, Fernando Rodríguez-Artalejo, Mercedes Sotos-Prieto

公開日: 2022/07/04 

論文URL:https://doi.org/10.1007/s11357-022-00614-3

別のFACTを探す