地中海食・準ベジタリアン食・ヴィーガン食における栄養素充足率と環境フットプリント

論文概要

 

背景: 食生活における消費者の選択はプラントベース食へと変化しつつあり、その背景には健康や環境への悪影響が少ないという認識の高まりがある。しかし、プラントベース食、特にヴィーガン食は、他の食事パターンに比べると栄養不足を招く可能性がある。プラントベース食に含まれるカロリー量は概して低いため、こうした違いに影響している部分もあると考えられる。

目的: 地中海食(雑食)、2種類の準ベジタリアン食(ペスカタリアンおよびラクト・オボ・ベジタリアン)、ヴィーガン食を含む4つの食事法について、栄養素充足率および環境フットプリントを7日間のメニューモデル(1日あたり約2,000 kcal)で比較する。

方法: メニューはスペイン地域栄養学会およびベジタリアン連合の推奨に基づいて作成し、動物性食品を植物性代替食品に置き換えた。スペイン食品成分データベースを用いて栄養摂取量を評価し、食事摂取基準(DRIs)および推奨摂取量を用いて栄養素充足率を評価した。1日あたりの環境フットプリントの推定にはAgribalyseを用いた。一元配置分散分析およびクルスカル・ウォリス検定を用いて4つの食事モデルによる全般的な違いを評価し、事後検定では栄養素摂取量に関して各食事パターンの間の違いを個別に検証した(有意水準:95%)。

結果: 1日あたりの主要栄養素の摂取量に関して、4つの食事法の間で大きな違いは見られなかった。さらに、4つの食事法はいずれもタンパク質の必要量を満たし、ほぼ全ての微量栄養素に関しても推奨摂取量を満たしていた。すべての食事法でビタミンDとヨウ素は不足しており、ヴィーガンのモデルではビタミンB₁₂の不足も見られた。ω-3多価不飽和脂肪酸は、どの食事法でも1日当たりの目標値250mgに届かなかったが、飽和脂肪酸に関しては総エネルギー摂取量に対し8%未満の基準を満たしていた。1日あたりの環境フットプリントの平均値は、雑食から準ベジタリアン食、ヴィーガン食へと進むにつれて減少しており、二酸化炭素の排出量では46%の減少、水利用では6.6%の減少、土地利用では33%の減少であった。

結論: 適切に計画したプラントベース食で達成できる持続可能性と栄養素充足率は健康的な地中海食と同等であるが、一部の微量栄養素の摂取量を適切に保つためには注意が必要である。

 

原文タイトル:Nutrient adequacy and environmental foot-print of Mediterranean, pesco-, ovo-lacto-, and vegan menus: a modelling study

論文著者:Ángela Alcalá-Santiago, Noelia M Rodríguez-Martín, Eduardo Casas-Albertos, José María Gálvez-Navas, Adela Castelló-Pastor, Belén García-Villanova, Esther Molina-Montes

公開日: 2025/11/11 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1681512

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