教育的介入が2大学で食肉消費量を削減

論文概要

 

気候危機に対応する上で動物性食品の消費削減は不可欠である。教育的手法による介入はプラントベースの食習慣を推進するうで有効とされているが、実際にどのように作用するのかは未だ明確ではない。本研究では、大学のキャンパスにおいて明確なテーマを取り上げた短時間の動画を用いた2つの介入実験を実施し、現実の食行動に影響が見られるかどうかを検証した。

研究1では食券を行動指標として使用し(参加者39名)、有意な介入効果が認められた。すなわち、畜産が環境に及ぼす負荷の大きさを(プラントベース食品の生産に比較して)説明した動画を視聴した参加者は、中立的な内容の動画を視聴した対照群の参加者と比較して、ベジタリアン・ヴィーガン食に食券を使う頻度が2.5倍に上昇したのである。

研究2では介入のテーマを拡大し、畜産には(プラントベース食品の生産に比較して)環境と倫理の両面で問題があることを説明した動画を使用した。さらにアウトカム指標も変更し、大学の公式ディナーにおいてヴィーガン食と非ヴィーガン食のどちらを選ぶかを測定した(参加者102名)。肉類を含む食事が選ばれる頻度は実質的に減少したものの、研究1に比べてその効果は弱かった。研究1・2で効果量には違いが見られたが、これは介入方法の違いとサンプル数が限られていることから説明可能と考えられる。

こうした介入で得られた上記の結果は、大学での肉類の消費を削減する上で教育的介入が有効であることを強く示すものである。この結果をさらに拡張するためには、今後の研究では1回限りの食事の選択ではなく、介入後の食生活に持続的な変化があるかどうかを調査するとともに、介入にはさらに多様な動画を介入に用いて効果を検証する必要がある。

 

原文タイトル:Educational Presentations Reduce Meat Consumption Across Two Universities

論文著者:Elise Hankins, Chloe Balhatchet, Christopher Bryant, Matti Wilks,Chris Macdonald, Rebecca Hankins, Patience Abugu, Tommy Walker Mackay, William McFarlane Smith, H.-W. Hazel, Sophie Clargo

公開日: 2025/12/04 

論文URL:https://doi.org/10.5964/phair.18523

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