女性アスリートにおけるベジタリアン食 パフォーマンスと健康上の効果への影響

論文概要

 

ベジタリアン食はアスリートの間で広がりつつあるが、女性アスリートにおける効果に関しては未だエビデンスが限られている。懸念される問題点としてはパフォーマンス、筋肉の適応、ホルモンの健康状態に加え、利用可能なエネルギーの不足(LEA)、スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs) のリスクなどが挙げられる。

本稿のナラティブレビューでは、女性アスリートのベジタリアン食に関する現在のエビデンスを批判的に検討する。特に健康とパフォーマンス、生理学的指標に関するエビデンスについて詳しく取り上げるとともに、実際の食生活の状況が研究結果に及ぼしている影響について検証する。

女性アスリートにおけるベジタリアン食と雑食を比較した介入研究および観察研究では、パフォーマンスや生理学的指標、健康関連の指標には違いがないことが報告されている。したがって、現在のエビデンスによれば、栄養所要量が満たされている場合、ベジタリアン食によって運動パフォーマンスや筋の適応、ホルモンバランスが損なわれることはなく、REDsのリスクが高まることもないことが示されている。

しかし、基礎となるエビデンスは未だ限定的であり、研究結果にはばらつきも見られる。こうしたばらつきの多くは、ベジタリアン食と雑食の違いによるものではなく、LEAのリスク、タンパク質充足率、微量栄養素の摂取量、食事の質、食事パターンを遵守した期間など、食事の状況に関する要因に影響されている可能性がある。

これまでの文献を総合すると、女性アスリートのベジタリアン食において健康やパフォーマンスにより影響しているのは、エネルギーの供給量や栄養の充足度、食生活全般の状況であり、動物性食品を使わないことではないと考えられる。今後の研究では食事の実施状況に関連する要因をさらに検証し、女性アスリートに合わせた指針の基礎となるエビデンスを提供する必要がある。

 

原文タイトル:Vegetarian diets in female athletes: performance, health outcomes, and the implementation gap

論文著者:Miguel López-Moreno, Nuria Perez-Diaz-Del-Campo, Nora Villa, Paulina Maria Leszczyńska, Jorge Sánchez-Infante, Paula Marrero-Fernández

公開日: 2026/08/05 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2026.1901139

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