子どもは、大人ほど人間優先じゃない

Children Prioritize Humans Over Animals Less Than Adults Do

Matti Wilks, Lucius Caviola, Guy Kahane, Paul Bloom

2020/12/15

https://doi.org/10.1177/0956797620960398

論文概要

 

人間を動物よりも道徳的に優先する傾向は、大人よりも子どもの方が弱いのだろうか? 事前登録された2つの研究において、人間を犬や豚と比較し、どちらの命を救うべきかという道徳的ジレンマを提示し、5歳から9歳の子供と大人(合計622人)に回答を求めた。

いずれの研究においても、人間を動物より優先する傾向は、子供においては大人よりも弱かった。子どもは、人間1人よりも数頭の犬を救うほうを選ぶことが多く、犬の命を人間の命と同じくらい大切にした。このような傾向は豚では犬よりも弱かったが、それでも大多数の子どもは人間1人より豚10頭を優先した。これとは対照的に、ほとんどすべての成人は、100頭の犬や豚よりも人間1人を救うことを選んだ。

これらの結果から、一般に人間は動物よりも道徳的にはるかに重要であるとする態度は、発達過程の後期に現れるもので、(生まれつきのものではなく)社会の中で獲得されたものである可能性が高いと考えられる。

 

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