市販のプラントベース・ドッグフードで1年後も犬の健康を維持できる

論文概要

 

完全かつバランスの取れたプラントベースのドッグフード(K9PBN)は、飼い犬の健康を維持することが可能である。新しいドッグフードには健康面のベネフィットがあるとされ、こうした製品への関心が高まりつつあるが、その安全性については潜在的な懸念もある。このため、K9PBNを与えられている犬の健康アウトカムに関する新しい知見は、獣医療従事者や消費者にとって重要である。

本研究では、K9PBNを12ヶ月間にわたって摂取した成犬と、ベースラインの時点で肉ベースのドッグフードを摂取していた成犬を対象として臨床的な健康アウトカムを測定し、栄養学的な違いがあるかどうかを比較検証した。 

カリフォルニア州ロサンゼルスの家庭で暮らす健康な成犬15頭を前向きコホート調査に登録した。臨床検査・血液検査および栄養学的検査として、調査の開始時および6か月後・12か月後に全血球計算・血液生化学・心臓バイオマーカー・血漿アミノ酸・血清ビタミン濃度を測定した。

身体検査・全血球計算・血清化学検査・血漿アミノ酸値・血清ビタミン値・心臓バイオマーカーのデータに加え、飼い主からの報告内容を総合的に評価した結果、健康な成犬が市販のK9PBNを続けた場合、12ヶ月後も健康が維持されていることがわかった。

本研究はK9PBNに関するこれまでで最も包括的かつ長期にわたる調査であり、動物性材料を使わないドッグフードで犬の健康状態を良好に維持できることを明らかにし、臨床的意義が高くエビデンスに基づいた栄養学的データと新しい知見を提供するものである。

 

原文タイトル:Domestic dogs maintain clinical, nutritional, and hematological health outcomes when fed a commercial plant-based diet for a year

論文著者:Annika Linde, Maureen Lahiff, Adam Krantz, Nathan Sharp, Theros T Ng, Tonatiuh Melgarejo

公開日: 2024/04/16 

論文URL:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0298942

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