持続可能なタンパク質技術への人々の支持を予測する「自然さ」

Perceived naturalness predicts public support for sustainable protein technology

Sarah Gonzalez Coffin, Waverly Eichhorst, Amanda R. Carrico, Yoel Inbar, Peter Newton & Leaf Van Boven

2024/02/07

https://doi.org/10.1007/s10584-024-03679-5

論文概要

 

動物由来の食品に対する需要が拡大することにより、温室効果ガス排出は大幅に増加し、気候変動に対応するうえで課題となっている。この点では培養肉をはじめとする代替タンパク質は、温室効果ガス排出量の少ないタンパク質源として期待されるが、社会からの受け入れには問題があり、代替タンパク質の開発と採用を広く進めるうえで大きな障壁となっている。代替タンパク質のリスクと利点に関する消費者の認識や、それが消費者から支持されるかどうかを予測するうえでは、タンパク質源の「自然さ」に関する消費者の認識は重要な要因となる。本稿ではこれに関して調査した結果を報告する。

米国の人口から抽出した様々な参加者を対象として、6種類の異なるタンパク質技術(培養肉をはじめとする3種類の新しい代替タンパク質、3種類の従来のタンパク質)についての認識を調べた。新しい代替タンパク質は、従来のタンパク質に比べると自然ではないと認識され、支持も少なかった。さらに、参加者がタンパク質源を自然なものであると認識するほど、リスクが少なく有益であると認識され、支持にもつながった。

これらの結果は、新しいタンパク質に対する一般の人々の支持や反対を形成する要因として、自然であると認識されることや、それに伴うリスクとベネフィットが重要となることを示唆している。本研究で得られた知見は、持続可能性のための技術の開発と導入において理論的かつ広範な意義を有するものである。

 

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