持続可能なペットフード:効果的利他主義の重要課題

論文概要

 

ペットフード市場では動物性原料を用いた製品が主流であり続けているが、動物福祉への関心の高まりや環境への圧力を受けて状況は変化し始めており、犬猫向けにプラントベースや培養肉を用いた代替製品へと扉は開かれつつある。この問題はペットフードの市場の規模の大きさにも関わらず、これまでほとんど見過ごされてきたが、持続可能なペットフードへと移行できる可能性は高い。本研究では、より持続可能なペットフードを選択することがこれら全ての観点から効果的利他主義に合致するものであることを明らかにした。

2018年において世界で飼育される陸生動物のうち、少なくとも9%が犬・猫のペットフードとなって消費され、犬1頭あたりの年間消費量は平均 13kg で人間1人あたりの 9kgを上回っていた。栄養学的に健全なヴィーガン食のペットフードへと移行した場合、屠殺を免れる畜産動物は世界全体で70億頭であり、海洋動物ではそれをさらに大きく上回る。さらに、食料エネルギーの節約分を利用することで5億1900万人の人間を養うことが可能となる。

こうした移行が実現した場合、これを犬のみに限定したとしても、英国における温室効果ガスの年間排出量の1.5倍に相当するガス排出を削減し、メキシコより広い土地を解放することができる。それにもかかわらず、資金・時間・人材の面から見ると、持続可能なペットフードは選択肢としてほとんど考慮されていない。

しかし、この問題は解決可能なものと思われる。ヴィーガン・ペットフードについて、犬猫の飼い主の13~18%は、製品に関する懸念が解消されれば採り入れることを考えるとしているためである。飼い主1人につき1頭の犬または猫がいると仮定した場合、世界全体で少なくとも7,000万頭の犬と8,600万頭の猫がヴィーガン食に移行することになるが、実際にはそれより数倍の規模に達するものと考えられる。

したがって、持続可能なペットフードへの移行は非常に大きな効果をもたらすものであり、畜産動物の消費を削減し、畜産が環境に与える影響を緩和し、食料安全保障を向上させることができるが、こうした可能性はそれにも関わらず見過ごされているのである。

 

原文タイトル:Sustainable Pet Diets: A Leading Effective Altruism Issue

論文著者:Andrew Knight

公開日: 2026/02/01 

論文URL:https://doi.org/10.3390/ani16030460

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